「離乳食は6ヶ月から」と書かれているのをよく目にします。でも、3歳まで母乳で育てていた人もいれば、アメリカではそれが普通という話もある。私自身、いろいろな情報を見聞きする中でふと疑問に思いました。
6ヶ月で離乳を始めるのが「常識」だとしたら、それは誰が決めたんだろう?
本当に子どもにとって自然なタイミングなのかな?
6ヶ月からの離乳は正解なのか?
現在、日本をはじめ多くの国では「生後6ヶ月から離乳食を始めましょう」と言われています。これはWHO(世界保健機関)やUNICEFなどの国際的な推奨がベースになっています。
WHOの方針はこうです。
生後6ヶ月までは母乳のみで育て、それ以降は栄養の補完として離乳食を始めながら、2歳以降も可能なら母乳を継続するのが望ましい。
つまり、
• 6ヶ月=母乳だけではエネルギーや鉄分が不足し始める頃
• でも、母乳はその後も続けてよいし、無理に急がなくてもいい
ということ。
ところが日本では、「6ヶ月になったらすぐ始めなきゃ!」と焦らされるような空気もありますよね。
それ、もしかしてマーケティングのせい?
ここにビジネスの側面が関わってきます。
実は日本でも、1970年代ごろまでは「3〜4ヶ月で離乳開始」が推奨されていました。それが、母乳育児の重要性が再評価されたことで6ヶ月に引き延ばされ、今のスタンダードに。
ただし一方で、離乳食市場は年々拡大。ベビーフード、離乳グッズ、専用レシピ本…「6ヶ月から離乳」が定着すれば、それだけ企業は商品を売りやすくなります。
つまり、「6ヶ月=常識」は
• 科学的な根拠
• 消費を促す企業の意図
が混ざって生まれた“育児スタイル”なのです。
じゃあ、3歳まで母乳はおかしいの?
そんなことは全くないと思います。
• アメリカでも、近年は「2歳以上までの授乳」を推奨する声が増えてきている。
• アジアやアフリカの一部地域では、4〜5歳で自然に卒乳する文化もある。
それでも日本では「まだ授乳してるの?」「過保護じゃない?」という言葉に傷ついたという話もよく聞きます。社会的な“普通”が、親子のリズムを否定してしまうことがあるんですね。
育児はもっと自由でいい
「6ヶ月から始めなきゃ」は、ある意味で思考停止の合図。
誰かが決めた“正しさ”を鵜呑みにするのではなく、
自分の子どもの成長、自分たち親子のペースを見ながら考えることが本来の育児ではないでしょうか。
正解はひとつじゃない。
そして、“その常識は誰のためのものか?”と疑う視点は、育児にもとても大切だと思います。