糖分たっぷりのスイーツや、ジャンキーなファストフードにあまり興味を示さないでいると、「人生損してる」なんて言葉を投げかけられることがある。自分が直接言われたわけではないけれど、テレビやSNSでよく見かけるセリフだ。
でもね、私はまったくそうは思わない。むしろ「人生取り戻した」とさえ思ってる。
もちろん昔は、名の知れたスイーツも話題のバーガーも、思いつくままに食べてきた。満足いくまで。飽きるほど。それこそ「食べることが趣味」だった時代もある。けれど、いま振り返れば、どれも一瞬の満足で終わっていた。
その場限りの快感に時間もお金もかけて、また次の「刺激」を探す——その繰り返し。気づけば、記憶に残る「本当に美味しかったもの」なんて、数えるほどしかない。
先に言っておくと、今の私が「一切食べない」わけではない。産後の今は、夫の休みの日にマクドナルドをテイクアウトすることもあるし、それはそれで楽しんでいる。
ただ、昔と決定的に違うのは、そこに幸せを預けていないこと。食べたら美味しい。でも、食べなくても私の幸せは減らない。何を食べてもたいして変わらないと思っているからこそ、必要以上に期待しないし、頼らない。食べ物以外にも、幸せを感じられる術を私はたくさん持っている。
これは過去に散々”体験してきた”からこそ言えること。経験して、味わって、考えた。そのうえで今、私は「モノに頼らない幸せ」を生きている。
人は経験を通してキャパシティが広がるし、見える景色も変わる。だから、経験したうえで「自分はスイーツのある人生が好き」と言う人のことは、心から尊重したい。それはその人が選んだ幸せの形だから。
私が引っかかるのは、そこじゃない。知らない世界を、想像だけで「損してる」と決めつけてしまうこと。私も昔は「食べないなんてありえない」側にいたから、その気持ちもわかる。でも、外の世界に目を向けてみたら、思っていたよりずっと自由だった——それが私の実感だ。
“食べない”とか”我慢してる”とか、そういう話じゃない。ただ、優先順位が変わっただけ。幸せの基準が、明確になっただけ。
もし「人生損してる」って言われても、私はその言葉に揺れない。損か得かは、他人が決めることじゃなくて、自分の物差しで測るものだから。