夫にも育児を楽しんでほしい。私が新生児期から続けた、たったひとつの声かけ

赤ちゃんを抱っこして微笑む父親のイラスト

前回の記事(産後の家事分担、あえて決めませんでした)で、「娘の気持ちの代弁については、また別の記事で」と書きました。今回はその話です(生後9ヶ月の娘を育てている、41歳の母です)。
夫に育児を楽しんでもらえるように、私が新生児期からずっと続けてきた、小さな小さな工夫。それが、娘の気持ちを「代弁」することでした。
お金も道具もいらず、今日からできます。そして我が家の場合、その積み重ねの先に「育児を楽しむパパ」がいました。


「パパに抱っこされて嬉しいの〜」と、娘の気持ちを言葉にする

やっていることは、とても単純です。
夫が娘を抱っこしている時に、「パパに抱っこされて嬉しいの〜」「落ち着くね〜」「パパ好きなの〜」と、娘の気持ちを言葉にする。それだけです。
もちろん、赤ちゃんの本当の気持ちはわかりません。私が勝手に想像して、夫が喜ぶように言っています(笑)。
夫は「それは誇張しすぎでしょ〜」と照れていましたが、満更でもなさそうな顔をしていました。
これは「こうすればパパが育児をするようになる」と狙って始めたテクニックではなく、これまでの人生経験の中で、自然に出てきたものでした。人は、喜びや手応えを感じられることは続けたくなるし、感じられないことからは遠ざかっていく。それは育児も同じだと思うのです。

場面別・我が家の「代弁」フレーズ集

新生児期から今まで、こんな場面で、こんなふうに言ってきました。

【抱っこしてもらっている時】
「パパに抱っこされて落ち着くの〜」「安心するの〜」「嬉しいねぇ」

【オムツを替えてもらっている時】
「パパにオムツ替えてもらってるの〜。よかったね〜、嬉しいね〜」

【お風呂で】
「パパ見てると落ち着くの〜」

【夫が部屋の中を移動して、娘が目で追っている時】
「パパのこと気になるの〜」

ポイントは、娘の実際の様子に乗せることです。目で追っている、泣き止んだ、笑った——そういう小さな事実に、「それはパパが好きだからだよ」という翻訳をつけてあげる感じです。

気づけば、夫が私の言葉を真似するようになった

続けているうちに、面白いことが起きました。

私はオムツ交換のあと、大概「スッキリしたね〜」と娘に言っています。すると、いつの間にか夫も、オムツ替えのあとに「スッキリしたね〜」と言うようになっていたのです。
それだけではありません。私は娘に、自然に降りてきた謎の言葉で話しかけることがあります。ことあるごとに「もにゃ」と言ったり、「よいしょ」を「もいちょ」と言ったり(笑)。すると、つい最近のことですが、夫が「もにゃ」まで真似していました。
実は夫は、もともと赤ちゃんに話しかけるのが得意ではありませんでした。それが、私が話しかけているのを見てか、徐々にたくさん話しかけるようになり、今では私のように、娘の気持ちの「代弁」が中心になっています
これは素直に嬉しいことでした。夫が素直な人でよかったなと思うし、真似してくれるということは、私の育児を「参考になる」と少なからず認めてもらえているということ。
パパは「赤ちゃんに何て話しかけたらいいかわからない」ということも多いと聞きます。ママの声かけが、そのまま夫の「育児の語彙」になっていくのかもしれません。

ちなみに、私の言葉を真似するのは、夫だけではありませんでした。娘も、私がオムツ替えのたびに「出た出たね〜」と言うのを聞いているからか、生後5ヶ月頃から、うんちのタイミングで「出た出た!」と言うようになりました(笑)。(言葉にもブームがあるようで、最近のお気に入りは「ねんね」ですが。)声かけは、家族みんなに伝染していくようです。この話は、また娘の発達の記事で詳しく書きますね。


なぜ「代弁」が効くと思うのか

赤ちゃんの気持ちは、目に見えません。特に新生児の頃は、笑いかけてもくれないし、反応も薄い。お世話をしても「喜ばれている実感」が得にくい時期とよく聞きます。ママは抱っこや授乳で肌感覚として通じ合えても、パパはその実感を持ちにくいのではないでしょうか。
代弁は、その見えない気持ちを言語化してあげるようなものだと思います。「この子はあなたに懐いているよ」「あなたのお世話は、ちゃんと届いているよ」という感じに。

我が子から愛されている実感が湧くほど、我が子への愛着も湧く。愛着が湧くほど、育児は「タスク」ではなく「楽しみ」になっていく。夫の変化を見ていて、より、そう感じています。

代弁は、赤ちゃんに寄り添う人の言葉なのかも

思い返せば私は、妊娠を経験した頃から、親戚の集まりで赤ちゃんに「これ好きなのー」と自然に声をかけるようになっていました。もともと、そういうことをしやすい素質はあったのかもしれません。
それでも、生まれたばかりの新生児への声かけは、初めての体験。だからクリニックで見た、助産師さんや看護師さんたちの姿は、とても新鮮で参考になりました。

例えば沐浴指導で、赤ちゃんがお湯で気持ちよさそうにしていた時の「気持ちいいねぇ。ママ最高ー!」。赤ちゃんの気持ちを代弁しながら接する姿はとても優しくて、寄り添っているのが伝わってきました。「私もそうなりたいな」と、マネから入ったのです。
その後の健診でも、注射で泣く娘に「やなの」「やだねぇ」と声をかけてもらったり。赤ちゃんに関わるお仕事の方たちは、みんな自然にこの「代弁」をしているんだなと感じます。

そしてママになってから、気づいたことがあります。
出先で娘に声をかけてくれる方は、ほとんどがこの「代弁」をしてくれるのです。「お散歩気持ちいいね〜」というような、赤ちゃんの気持ちに寄り添う声かけ。きっと、ご自身の育児を楽しんでこられた方たちなのだろうなと思います。赤ちゃんを見て、自分の育児を懐かしんでいるのかもしれません。
(赤ちゃんが苦手な人は、そもそも近づいてこないでしょうし、近づいてくれても「可愛い〜!ちっさい〜!」で終わることも多いはず。何を隠そう、独身時代の私がそうでした。)
一度、娘に声をかけながら「涙が出てきた〜」とおっしゃる方もいました。この方にはどんな月日があったんだろう……と、胸がぎゅっとなりました。
代弁は、赤ちゃんの気持ちに寄り添おうとする人の、共通の言葉なのかもしれません。

正直な話——「パパっ子」に涙が出た日もある

こう書くと良いことばかりのようですが、正直な話もひとつ。

生後6ヶ月の頃、私と2人でいる時はずっとぐずっていたのに、夫が帰宅するとピタッと泣き止むことがよくありました。頭では「私には甘えているんだろうな」「私はいつもいるから、仕方ないのかな」とわかっていたけれど、ちょうど離乳食がうまくいかず、試行錯誤していた時期。悲しくて、涙が出た日もありました。

今はそういう時期は乗り越えて、娘も動き回れるようになって、基本はご機嫌です。でも、もしいま同じ状況で悲しくなっているママがいたら、「それはママが安全基地だからだよ」と伝えたいです。

生後9ヶ月の今、娘とパパ

今の娘は、パパ見知りゼロ。夫のことを目で追って、目が合うと嬉しそうに笑います。パパの抱っこは、途中で私を求めてぐずることもあるけれど(笑)、夫にもしっかり懐いていると思います。
実家や義両親の家に行くと少し人見知りをしますが、私や夫の顔を見ると、安心した目になる。娘にとって、パパもちゃんと「安心できる人」になっているんだなと感じます。

代弁のおかげ、と言い切るつもりはありません。夫がもともと優しい人なのも大きいと思います。それに、娘が成長してコミュニケーションが取れるようになってきて、育児そのものがより楽しくなり、「子育ての実感」が湧いてきた——というのもあるかもしれません。それでも、「パパに抱っこされて嬉しいの〜」と言い続けたこの積み重ねは、少なくとも我が家の空気を温かくしてくれましたし、今でもそうです。
お金も準備もいりません。もしまだでしたら、よかったら今日から、試してみてください。



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