産後しばらく、パソコンを開く気になれない時期がありました。もともと何か前に進めていないと気が済まないタイプなのに、やる気が湧いてこない。
でも、焦りはありませんでした。
これまでの経験から、「いずれまた元に戻る」とわかっていたからです。やる気が湧かないのは、今はそれが必要ない時期なんだ、と。体と心の声に耳を傾けて、本能の感じるままに過ごしていました。
産後5ヶ月を過ぎたころ、じわじわと本来の自分が戻ってきました。そのやる気が向かった先のひとつが、LINEスタンプの制作です。子どもの頃から頭の中にいたキャラクターたちを、AIの力を借りてついに形にすることができました。
同じように育児の合間に何か始めたいと思っているママの、少しでも参考になれば嬉しいです。
産後5ヶ月、本来の自分が戻ってきた
もともと、集中したら1日中作業していても平気だし、お金や人生のことなどを考えるのも大好きなタイプです。そんな私が、妊娠後期から産後5ヶ月ごろまでは、パソコンを開くことすら心が重くて開けない状態でした。
それが産後5ヶ月を過ぎたころから、徐々に本来の自分が戻ってくる感覚がありました。やる気がみなぎってきて、「何かやりたい」という気持ちが自然と湧いてきたのです。
私はリベ大(両学長)のYouTubeチャンネルを2018年から欠かさず見ていたのですが、近年始まった毎朝のライブのアーカイブが産後に追いきれなくなっていたので、少しずつ遡って消化していくところから始めました。赤ちゃんが寝ている間は倍速で聞いたり(向かいの部屋から赤ちゃんの見える位置で)、起きているときにはBGMのように流したり。
夫の帰宅が平日17時前後なので、それまでの時間が勝負です。
夫がいる時間は家族の時間を大切にしたかったので、基本的に作業は夫が帰宅するまでの時間に限っていました。ただ、見終わらせるのが間に合わない時は「あと30分で終わるから聞いてていい?」と伝えると、夫もいいよと言ってくれるので、そんな時は赤ちゃんも含めて3人で聴くことになります。
夫はスマホを見ていてちゃんと聴いていないかもしれませんが、できれば一緒に学んでくれたら嬉しいな、という気持ちはあります。押し付けはできないので、そっとそのままにしています。
そんな条件の中で1日3本消化するのがやっとでしたが、毎日溜まっていくアーカイブに切迫感を覚えながら視聴を続けていました。さらに私はリベシティ(両学長が運営するオンラインコミュニティ)にも入会していて、学長マガジンなども参考にしながら情報を得ていました。ライブ優先なので、ゆっくり読む時間を作るのは一苦労・・・。
AIでLINEスタンプが作れると知った
ライブアーカイブやリベシティの中で、AIを活用している人たちの話に触れるようになりました。その中で、AIを使ってLINEスタンプを作っている人の話を聞き、「AIを使えるなら自分もやってみたい」とすぐに思いました。私は以前にもLINEスタンプを作ったことがあったので、なおさらです。
まずは取りかかりとして、リベシティの中に「簡単にスタンプが作れるスタンプメーカー」を作って公開してくださっている方がいたので、それを使わせてもらい、練習に動物のスタンプを作ってみました。くま・ねこ・うさぎのスタンプです。これが、ちゃんと作れたんです。
▶︎くま・ねこ・うさぎのかわいいスタンプ(LINE STOREで見る)
ただ、この便利なスタンプメーカーは、きっと他の方もたくさん使っているはず。せっかくなら、もっとオリジナルを出していきたい——そう思って他の方法もいろいろ試して、結果的に、後ほど紹介する「私のやり方」に落ち着いていきました。
それなら次は、と思い、小学生のころから頭の中にいた「火星人のカセット君」のスタンプも作ってみました。カセット君は本来、目が縦の一本線で、装飾もないシンプルなデザインでした。それがChatGPTでは、目が大きくてうるうるした感じに仕上がってきて——正直「直すのも面倒だな」という気持ちも半分、「まぁ、この方がスタンプ向きかもな」という気持ちも半分で、このアレンジに乗っからせてもらいました。それがこちらです。
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そして次に挑戦したのが、長年温めていたキャラクターたち——「いぬ&おっさん」です。
ここからは少しだけ、このキャラクターたちがどうやって生まれたのか、30年以上前までさかのぼる話にお付き合いください(作り方だけ知りたい方は、読み飛ばしてもらって大丈夫です)。
キャラクター誕生のきっかけは、30年以上前の夏の日
「いぬ&おっさん」の原点は、私がまだ小学生だった頃の夏の日にさかのぼります。9つ離れた弟はまだ小さかったので、もう30年以上前の話です。
自宅の玄関前に立っていると、向かいの家のポメラニアン(放し飼い)とよく目が合っていました。その日、私は弟と2人でダンスを踊って犬に見せていたのですが、途中で犬の視線がそれました。右側から隣の家のおじさん(以下、おっさん)が自転車で、私たちと犬の間をゆっくりと通り過ぎていったのです。
そしてなんと、おっさんが通り過ぎると犬は尻尾を振りながらついていったのです。気づいたおっさんは「しっしっ」と犬を手で払いながら進み続けます。でも、犬は尻尾を振りながらおっさんの自転車の後ろにピッタリついたまま、2人(?)は角を曲がって見えなくなり、私と弟はダンスをやめてすぐに後を追いかけました。
すると、50mほど向こうまでおっさんは行っていて、犬もそのままついて走っている——。
ズレた世界観というか、とにかくそれがおかしくって、私たちは笑い転げながら家に戻りました。
おっさんは、いつのまにかストーカーになっていた
その日から、私と弟の間で「もしも話」が始まりました。最初は、いぬがおっさんのいるところに現れる、いぬがおっさんを好いている設定でした。
「もしも、おっさんが買い物に行く時に、いぬもついていったら」
「もしも、おっさんが車を運転していて、すれ違った車が、いぬだったら」
ところが、そのうち設定が逆転していきました。おっさんがいぬのことを好きすぎて、どこにでも現れるようになったのです。もはやストーカーです。その方がおかしくて、弟と爆笑しながらもしも話を重ねていくうちに、どんどんおっさんがエスカレートしていきました。
「もしも、いぬが、海で泳いでいて、おっさんが、助けたら」
「もしも、いぬが、野球観戦をしていて、おっさんが、打ってたら」
そしてさらに発展して、「いぬ&おっさん」の職場の昼休み話も生まれました。ガラス張りの広いフロアにデスクがたくさん並んでいる、あの感じです。
「キーンコーンカーンコーン」から始まり、メガネ(同僚・新キャラ)がおっさんをランチに誘う。おっさんは行く気がなく、ズレた返事で断り続け、メガネは同じトーンで誘い続ける。そこに、いぬが通りかかってメガネが誘うと、いぬが「行きます」と答え、おっさんが「俺もいくーーー」と態度を変え、いぬがキョトン「・・・」で終わる——。
こうしてキャラクターたちは、弟とのもしも話の中で自然と育っていきました。
どれもこれも日常のことをネタにするので、無限に話が出来上がるのです。
ちなみに、県外に出てからたまに実家に戻り弟と顔を合わせた時の第一声は「もしも、」でした。笑
そんな「いぬ&おっさん」を、ついにChatGPTで画像にした
ChatGPTのイラスト生成がかなり精度が上がったと聞き、試してみることにしました。キャラクターのエピソードや世界観をそのまま伝えて、なんとか想像に近い画像を作ってもらうことができました。
まず目指したのは「売ること」より「この世界観を形に残すこと」。だから妥協はしたくなかった。納得いかないところは根気強く粘って、満足いくまで作り込みました。結果、思いの外満足のいく仕上がりになり、「いぬ&おっさん」として販売することができました。
▶︎いぬ&おっさん(LINE STOREで見る)
その手応えから、メガネを加えた「いぬとおっさんとメガネ」も制作しました。メガネはおっさんが勤める職場の同僚で、毎日おっさんをランチに誘い続ける明るい青年です。
▶︎いぬとおっさんとメガネ(LINE STOREで見る)
これで、頭の中に長年いたキャラクターたちは、ひとまず全部この世に出せました。今はスタンプ作りの優先順位を下げて、このブログ(過去記事のリライトや、新しい記事の作成)に力を入れています。ひとまずリライトが一段落したら、次はもっと実用的な「いぬ&おっさん」スタンプを作りたいなと、頭の中に描いています。
私の作り方の流れと費用(わからないことは全部AIに聞いた)
参考までに、私が実際に進めた流れです。
ChatGPTにキャラクターのエピソードや世界観を伝えて、画像を作ってもらう
STEP2画像の仕上げ
できた画像をClaude(別のAI)に渡して、LINEスタンプの規格に合わせたリサイズと背景の透過をしてもらう
STEP3申請
LINE Creators Market(LINEスタンプの公式販売サイト)にログインして申請。進め方に詰まったら、画面のスクリーンショットをAIのチャットに貼り付けて「次はどうすればいい?」と聞きながら一歩ずつ(Macなら shift+control+command+4 で撮って、command+V でチャット欄に貼り付け)
STEP4審査
申請から2〜3日ほどで審査が通って、販売開始
ちなみに画像は、1枚ずつ作ってもらいました。たぶん数枚まとめて作ることもできると思うのですが、一度にたくさん作ると絵が崩れて、修正の余計な手間が増えるのが嫌で、「1枚ずつ着実に」を選びました。上級者から見たら「AIを使っている割に非効率」かもしれません。でも、量産型ではなく、こだわりのいぬおっさんスタンプなので。それでも自分でイラストを描くより、はるかに速くてうまいですし。
実は3年ほど前にもスタンプを作ったことがあります。当時はこういったAIがなく、ネットでやり方を調べながら、iPadに自分でイラストを描いていました。Marketの進め方もすっかり忘れていましたが、今回は「わからないことは何でもAIに聞く」で最後まで進みました。一個一個、本当にめちゃくちゃ聞きました。それでいいんだと思います。
費用は、ChatGPTを画像生成の上限を上げるために月額3,000円のプランにアップグレードしたのと(ありがたいことに、最初の1ヶ月ほどは無料でした)、Claudeのいちばん安い月額プラン(20ドル・約3,000円)です。スタンプ作りを始めるには、このくらいでした。
正直、すんなりではなかった(AIでもつまずいた話)
調べてみると、AIでのスタンプ作りは人によって使うツールも手順もさまざまで、ChatGPTだけで完結させている人もいました。私も目についた「簡単そうなやり方」から順に真似してみたのですが、これがうまくいかず、早々にお手上げに。試行錯誤の末にたどり着いたのが、先ほどの「私のやり方」です。詳しい人から見たら「もっと工数を減らせるよ」「自動化できるよ」と言われるかもしれませんが、ひとまず私には、これでいっぱいいっぱいでした。
途中では、AIに加えてCanva(デザインツール)を組み合わせる方法も試しました。でもやってみると結構手間で、結局それはChatGPTのアップグレード(月額3000円)で解決できました(たとえば透過処理)。……と思って画像を保存して、「あとはLINE Creators Marketにアップロードしていくだけ」まで進めたら、透過がうまくいっておらず、一からやり直し——なんてことも何度もありました(その後、Claudeでも透過してくれることを知り(Claudeが、できますよと教えてくれた)、透過作業もClaudeに一貫)。
テキストやフォントの統一も思うようにいかなかったり、「ありがとうございます」が「ありがとうござます」になっていたり。1枚のスタンプに、何度も何度も修正を重ねました。
産後の隙間時間での作業、無理は禁物
午前中に家事を終わらせて赤ちゃんが寝た時間に自分の作業をする。夫の帰宅までが勝負なので、今もそのリズムで進めています。
育児と家事の合間に作業を続けていると、体に不調が出ることもありました(目の痒みやひどい充血)。
せっかく作業できる時間ができたのにもったいないと感じて、つい睡眠を後回しにしてしまうんですよね。きっとこれは多くのママさんあるあると思います。
一度しっかり休んだ方が結果的に効率よく進められるのかもしれませんが、なかなかそうできない。これは今も課題です。
実際、スタンプ制作の山場は夫の連休中(GW)だったと思います。夫がずっと家にいる中、夫も娘も傍に、私は必死にPCに向かっていました。さすがに気まずかったので、事情を明るく説明して、空気が悪くならないように配慮したり(妻役に母役にクリエイター、女って大変・・・)。
とにかく、1日でも早くスタンプを世に出したくて夢中でした。深夜に1人で取り掛かったり、深夜3時ごろに授乳を終えた後に作業を始めて、気づけば朝日が昇っていた、という日もありました。
ここまで必死になっていたのには、実は理由があります。当時、LINEスタンプの参加型の企画がいくつか開催されていて、それぞれに締め切りがあったんです。参加は必須ではないのですが、せっかくなら可能な限り参加したくて。あの集中力と無理は、締め切りがあったからこそのものでした。
逆に言えば、締め切りがないなら、あそこまで無理をする必要はまったくないと思います。
赤ちゃんを横に、作業する難しさ
この月齢の赤ちゃん(当時5ヶ月)はもう視力もよくなっていて、母のことをよく認識して見つめてきます。作業に没頭して無視状態になるのはよくないし、かといってしょっちゅう笑いかけると集中のリセットの繰り返しで疲労が増す。そのバランスが難しかったです。
赤ちゃんを横に置きながら、時々相手をしながら、食事の準備も入れながら、その合間にイラストを作ってもらう。1日1枚完成したらよし、そう考えると気が楽でした。
産後の隙間時間でも、やりたいことを少しずつ形にすることはできます。私の場合はAIの力を借りて、長年温めていたキャラクターをLINEスタンプとして販売することができました。
完璧なタイミングを待たなくていい。10分、20分の積み重ねでも、少しずつ前に進めます。
育児中に何か始めたいと思っているママの、少しでも背中を押せたら嬉しいです。

