産後の家事分担、みなさんはどうしていますか?
私は自治体の両親学級で、家事の役割分担表のようなものをもらいました。夫婦で話し合って、どちらが何を担当するか決めておきましょう、というものです。
でも私は、考えた末に「決めない」ことを選びました(生後9ヶ月の娘を育てている、41歳の母です)。
今回は、分担を決めなかった理由と、産前産後のリアルな経過、そして夫がどう変わっていったかを書いてみます。
分担表を使わなかった理由
もらった分担表を前に、「やった方がいいのかな」と一度は考えました。その上で、これまでの夫婦の経験から「うちには合わない」と判断しました。
理由は、細かく決めてしまうと、どこまでもキリがないから。家事は名前のついていない細かい作業の集まりなので、決め始めると「これはどっちの担当?」が無限に出てきます。それに、一度決めてしまうと「担当のはずなのにやっていない」というモヤモヤが、後々ストレスの元になりそうだったから。
それよりは、お互い気がついた方がやる。そんな自由な形の方が、うちの場合は気が楽でした。
これは夫婦の関係性にもよると思うので、「決めた方がうまくいく」ご家庭ももちろんあると思います。あくまで我が家の場合の話として読んでくださいね。
正直、産前はモヤッとすることも多かった
こう書くと最初からうまくいっていたように聞こえますが、産前までは、モヤッとすることも多かったです。
家事や掃除は、私が思いつくままにやっていました。私は極力きれいな空間で過ごしたいタイプで、少し散らかっていると片付けたくなる。一方の夫は、散らかっていても気にならないみたいで、そのまま。
ここは育ってきた環境や経験の違いなので、私の価値観を押し付けるのはよくない。そう思って、少しずつ小出しに伝えていきました。
本音は、「俺が作るよ」と言ってほしかった
妊娠して悪阻で辛くなっても、私のやることは変わりませんでした。
お弁当の用意も、晩ごはん作りも、当たり前のように私の役目。翌朝のための炊飯も、夫のお弁当がメインなのに、何の疑問もなく私が担当していました。時々頼むことはあっても、「これからはずっとやってほしい」とまでは言えなくて。
一つひとつの家事の工数が、一つでも減ってくれたら全然違うのに——。本音を言えば、「俺がやろうか」「今日は俺が作るよ」と、自分から言ってもらえるのが理想でした。
もちろん、言えばやってくれる夫です。でも、何でもかんでも私が指示するのは口うるさいようで嫌だし、できれば自分で気がつける人になってほしい。それに、妊娠中の体調の変化やしんどさは、口で伝えてもきっとわからない。夫は優しい人ですが、当時はまだ、そこまで気が回るレベルではありませんでした。
たとえば、10分でも台所に立ちっぱなしで料理をするのが本当に辛いことは、何回伝えても伝わりませんでした。体験していないのだから、仕方のないことかもしれません。それに言いすぎると「甘えてる」と思われかねないし、私自身「動けるのにやらないのは、言い訳かな」と思ってしまうタイプ。我ながら、人に頼るのが下手だなぁと感じていました。
それでも、流産の経験があった私にとって、最優先はお腹の子。これ以上はまずいかも、という時は、ちゃんとお願いしていました。
ちなみに、後日談がひとつ。夫と一緒にテレビを見ていた時、ダイエット企画で「立っているのは思っている以上にカロリーを消費する」と言っていたことがありました。「今だ」と思って、すかさず便乗。「悪阻の時、本当に10分でも立ってるのきつかったよ〜」と伝えてみると、テレビの情報のおかげで信頼度が上がったのか、「そうだったんだ……」と、これまでよりちょっとは響いていた様子(笑)。私の言葉だけではダメで、テレビの力を借りてようやく少し、です。この時でさえこの反応だったので、妊娠当時に言葉だけで伝えるのは無理だったんだろうなと思います。
里帰りから帰宅したら、家に「生活臭」が漂っていた
産後、里帰りを終えて我が家に帰宅した時のこと。玄関を開けると、生活臭がしました。不潔にしていたわけではないと思うんです。ただ、「男の人の一人暮らしで、掃除はしていない」という感じの臭い。散らかってはいなかったので、多分、私が帰る前にざっと片付けてくれたのだと思います。
当時、我が家には掃除機がなく、床は大きめのウェットティッシュで手拭きしていました。数日おきに拭くのは私のこだわりなので、夫には「せめて週に1回は拭いてね」と出産前に伝えていたのですが……多分、やっていなかったと思います(笑)。シンクには水垢。洗濯後のタオルも、洗剤が足りていないのか干し方が密着気味だったのか、なんだか臭いが残っていて。
でも、正直ダメージはありませんでした。夫は私と同棲するまで実家暮らし。自分の部屋はあっても、「家全体を綺麗に保つ責任」を感じた経験はなかったはずです。それを一気に私のレベル(というとおこがましいけれど・・・)まで求めるのは難しいとわかっていたし、期待もしていなかったから、「あ、やっぱりな」くらい(笑)。産後の体で、夫が見ている前で黙々と床拭きをしました。
そんな中、夫が「掃除機を買おう」と言ってくれました。この提案には本当に感謝していて、そこから床掃除の負担は激減。今では床拭きをすることはほとんどありません(掃除機では取れない床の汚れが気になった時に、時々やるくらいです)。どれがいいか選ばせてくれたのもありがたかったです。
産後の体のことは、母と義母が伝えてくれた
産後は、まだあまり動いてはいけない。そのことは夫にも伝えていましたが、自分で言いすぎると「家事したくないアピール」に聞こえてしまうかもしれない。だから、当てつけがましくならないよう、さりげなく伝える程度にしていました。
そんな中でありがたかったのが、母と義母の言葉です。
里帰りを終えて我が家に戻る時、私の母は「重いものを持ったりしたらダメだよ。いろんなことを旦那さんにやってもらってね」と言ってくれました(夫もいました)。
そして何より効いたのが、義母の言葉です。義両親が我が家に来てくれた時、本気モードで「赤ちゃんのお世話以外は動いたらダメだよ。水も触らない方がいい(手先から体が冷えるから、という意味)。今しっかり休んでおかないと、後々体が大変なことになるよ」と、夫のいる前で、強く、何度も言ってくれたのです。
少し大げさなくらいの言い方でしたが、夫にはあれくらいがちょうど良かったのかもしれません。夫からすれば産後の体を体験しているわけではないし、私も見た目は元気。危機感を持てなくて当然です。それでも「ちょっとは伝わったかな?」と感じられただけで、十分ありがたかった。それによって、家事を随分と夫に頼りやすくなりましたし、夫も「え・・・」みたいな雰囲気は出なくなりました(笑)。
これが私の親からではなく、夫の実の親からの言葉だったことも大きかったと思います。夫は親のことが好きなので、実の親の言葉はスッと入る。ここはご主人と親御さんの関係性にもよると思いますが、義両親が「産後の妻を休ませる側」に立ってくれると、こんなに心強いのかと感じた出来事でした。
私が意識している「北風と太陽」
分担は決めない。でも、何もしなかったわけではありません。イソップ童話の「北風と太陽」ではないですが、「やらせる」のではなく「自然とやりたくなる」方向を意識していました。
まず土台として、同棲していた頃から心がけていたことが3つあります。
・やってくれたら、「ありがとう」を言葉で伝える
・やり方には極力口を出さない。ダメ出しをしない
・まず、自分がやる姿を見せる
「ありがとう」については、正直、思うところがないわけではありません。やってもらって「ありがとう」と言うのは、裏を返せば「私がやるのが当たり前」という前提があるからこそ。でも、そこにこだわり始めたら、「ありがとう」は家から消えて、雰囲気は長期的に悪くなって、信頼関係も壊れていく気がします。お互い気持ちよく過ごしたいので、私はそこには執着しないと決めて、やってもらったことには「ありがとう」を伝えています。夫も、もともと「ありがとう」が言えるタイプです。私が洗濯物を干したり畳んだりすると、「ありがとう」と言ってくれます。全部の場面ではないけれど、そんな感じです。
そして産後、この土台に加わった一番の工夫が、娘の気持ちの「代弁」です。夫が娘を抱っこしている時に、「パパに抱っこされて嬉しいの〜、落ち着くの〜」と、娘の気持ちを(私が勝手に想像して)夫が喜ぶように言葉にしていました。この話は書きたいことがたくさんあるので、また別の記事で詳しく書きますね。
気づけば、夫はこんなに変わっていた
そんな毎日の積み重ねで、産後9ヶ月の今、夫は驚くほど変わりました。
もともと、食後の食器洗いだけは初めから夫の担当でした。「私が作るから」と、自分から引き受けてくれて、それは今もずっと続いています。そこに、こんな変化が加わりました。
・晩ごはんの後、翌朝のためのお米を炊飯器にセットしてくれる
・シンクにたまったゴミを気にして、時々捨ててくれる
・平日の夜、洗濯を回してくれる
・お風呂の排水溝の毛取りを、毎日シャワー前に捨ててくれる
・土日は、掃除機をかけてくれる
・お弁当も、自分で用意するようになった
うどんや素麺、インスタントラーメンのような簡単なものなら、私「今夜何にしよか〜?」夫「うどん?」私「いいね」夫「じゃあ作るわ」という流れで、夫が作ってくれることも増えました。妊娠中に心のどこかで待っていた「俺がやるよ」が、少しずつ現実になってきた感じです。
掃除機は、私が毎日かけているのを夫も知っていて、土日の朝の分が自然と夫の習慣になっていきました。「まず自分がやる姿を見せる」が、じわじわ効いたのかもしれません。あと、最近娘が床を動き回るようになって、落ちていた髪の毛が手についているのを夫も発見するようになったのも大きそうでした。
一番嬉しかった変化は、洗濯物です。育休中は、夫が回した洗濯物を一緒に干していました。ところが最近は、「私も干すよ〜」と行くと「いいからいいから!!」と断ってくれるように。前までは「ありがとう」と受け入れていたのに、です。娘のお世話があるから、ということみたいで、これは嬉しい変化でした。
(正直なところ、体のダメージが大きかった産後すぐの時期にこうしてくれていたら、もっとありがたかったのですが……そこは言いっこなしですね。)
それから、プラごみの洗い方まで変わりました。スーパーのお寿司やお惣菜のパックは、水洗いだけだと臭いが残りますよね。私は、洗剤を垂らした水をしばらく入れておいてから、バシャバシャ洗って乾かして捨てる派。夫は水洗いだけで、特に何も気にしていない様子でした。
ところがある日、プラごみ専用のゴミ箱を開けた瞬間、夫が水洗いした刺身のパックが臭って、思わず「くさ!!!」と言ってしまったことがありました。夫は、その様子を見ていたのです(笑)。どうやらそこから意識し始めたようで、最近は夫も、綺麗にしてから捨ててくれるように。狙って言った一言ではなかったのですが、正直なリアクションが一番効くのかもしれません。
それと、夫の変化にはもうひとつ理由がありそうです。夫の職場に、同じ時期に赤ちゃんが生まれた同僚がいて、休憩時間によく家の話をするのだとか。あちらは2人目のパパ。妻から言われるより、同じ立場のパパ友からの情報の方が、素直に聞けるのかもしれません。
「決める家庭」も「決めない家庭」も、どちらも正解
家事分担をきっちり決めて、うまく回っているご家庭も素敵だと思います。分担表が合う夫婦も、きっとたくさんいると思います。
ただ我が家の場合は、決めずに「気づいた方がやる」+「ありがとうを伝え合う」の方が合っていました。
大事なのは、分担表の完成度よりも、「お互いが気持ちよく動ける形」を見つけること。それは家庭ごとに違っていていいはずです。
この記事が、産後の家事分担にモヤッとしている方の、何かのヒントになれば嬉しいです。
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