【体験談】刃物で刺されていたかもしれなかった話。





まず・・・ねずみ講とネットワークビジネス(マルチ商法)が同じものと思い込んでいる人が多すぎますね。

私は声を大にして言いたいです。

ねずみ講とネットワークビジネスは別物です、と。

その世界をちゃんと経験した者であれば、ねずみ講とネットワークビジネスを区別します。

その世界を知らない人たちが、ネットワークビジネスのことをねずみ講と言っています。

はじめに:ネットワークビジネス(マルチ商法)とネズミ講の違い

そもそもネットワークビジネスとネズミ講は、どちらもピラミッド型の取引形態となっています。

そこが同じなため、よく一緒だと勘違いされやすいです。

では違いは何か?

それは以下となります。

ネットワークビジネス・・・商品やサービスの販売。
ネズミ講・・・物体がなく、お金だけが動く。

このように、全く違うのです。

10代でネットワークビジネスと出会う

「誰も知らないところで全くの新しい人生を始めたい。」

学生時代、私は家でも学校でも居場所を感じることができませんでした。

それはとても孤独でした。

生まれ育った場所は好きでしたが、周りの人間たちが嫌いでした。

毎日悔しくて悔しくて、仕方がありませんでした。

「一刻も早くここを抜け出して、一から人生をやり直してやる。」

「いつかこいつらを見返してやるんだ。」

そんな気持ちが、日々心の支えでした。

そして歯を食いしばって通い続けた地元の高校を卒業し、

私は即、大阪に出て行きました。

当時の大阪へ出た理由は、表面上は専門学校に通う目的でした。

(今思えば、学費や引っ越しの初期費用を出してくれた両親に頭が上がりません。)

元々華やかな世界に憧れがあった私。

大阪のど真ん中を歩いていると、スカウトに声をかけられます。

ちなみにここで言うスカウトとは、芸能事務所関係者ではなく、水商売のスカウトです。

このスカウトもよく「キャッチ」と勘違いされているのですが、

キャッチはお客さんをお店に引っ張る役目の人たちのことで、

スカウトとは全く異なります。

スカウトは、キャストとして働くことを勧める人たちです。

夜の蝶に強い憧れを感じていたので、私はその世界に足を踏み入れました。

昼夜逆転生活を送るようになると、朝から学校へ行けなくなりました。

本格的に夜の世界へ

このままでは学費がもったいない、と感じるようになりました。

それに、周りを見ていていろいろな生き方があるのだと知った私は、とうとう学校を辞め、夜の世界一本に絞りました。

しかし水商売に飛び込んでは見たものの、憧れとは裏腹に実際は、人と接することが苦手な私にとってその世界で生きていくことは、かなり困難なものとなりました。

ネットワークビジネスと出会う

働きづらさを感じながらも、高時給かつおしゃれが楽しめるため、水商売を続ける日々でした。

そんな中、ネットワークビジネスと出会いました。

19歳の冬でした。

きっかけは、商店街で声をかけられたことです。

新しい体験は積極的にしたい。

そんな私は勧誘されるがままその日のうちに彼ら事務所へ行きました。

その日の晩には彼らの仲間入りをしました。

厳密に言えば、彼らから逃げ切ることができなかったのですが。

とにかく今思えば、私は何も知らない田舎娘でした。

とある日

時が経ち、その頃私は基本、「アンケート調査」という名目でほぼ毎日街に繰り出していました。

「お客さん」と出会うために、アンケート調査という名目で人に近づき、連絡先を交換するのが目的でした。

私たちは大体2人ペアで動きます。

この日に向かった先は、京橋駅でした。

京橋は私たちの界隈では穴場的な存在でした。

なぜなら、(大変言い難い言葉を使わせていただくのですけれど)今で言う「境界知能」のような人たちが、なぜか京橋駅には多いのです。

すごく申し訳ない話ですが、いわゆるギリギリです。

とは言え、私はそういう人たちを極力避けていました。

しかしこの日の相方が、まさにそういう人たちを好む(ターゲットとして)お方でした。

この相方をAちゃんとしましょう。

男と出会う

私たちが2人で京橋駅をうろうろしていると、Aちゃんは公衆電話前で立っている男を見つけました。

「ねぇ、あの人いい感じじゃない?私声かけてみたい♪」と、Aちゃんは私に言いました。

その場のノリで私はAちゃんについて行きました。

Aちゃん「こーんにーちはっ!♪」

男「・・・。」(こちらを振り向き、横目で下の方を見ている)

Aちゃん「アンケートやってるんですけど、してもらえませーんかっ?♪」

男「・・・いいです・・・」(手を横に振り断るジェスチャーをしながら、公衆電話に向き直す)

Aちゃんが私に「おもしろーい!♪なにあの人♪もっと話しかけてみよ♪」

男はものすごい挙動不審な感じだった。

私は何か嫌な気がしました。

京橋はJRと京阪が隣り合わせにあり、その間の通路は外に面していて、乗り換えや待ち合わせに人たちで絶えず人が行き交っている場所。

そんな中Aちゃんは私を引き連れ、男にどんどん近寄っていきました。

Aちゃんは積極的に男に話しかけています。

すると男の様子がみるみる変わっていきました。

そして突如、男は『うるさい!!!!!』

と怒鳴り声を上げ、その場からスタスタと歩き逃げ出した。

私たちは顔を見合わせた。

Aちゃんはこのへんでやめておくのかと思いきや、寧ろニコッと笑い、男を追いかけました。

仕方がないので私はAちゃんの後をついていきました。

そしてAちゃんが男に「ねーねー」と言いながら男の肩をポンポンと叩くと、

男はさらに豹変しました。

男は、「お前らうるせぇぇぇぇ!!!!!」とまた大きな声を上げました。

さすがにまずいよと感じ、私はAちゃんの服を引っ張って「もうやめとこうよ」と合図した。

Aちゃんもまずいと思ったのか、私たちは一緒に男と距離を取るようにしながら男の進行方向とは逆側に男から離れようと歩き始めました。



男に捕まる

すると男は、今度は私たちの方へ完全に体を向き直し、こちらへ近寄ってきました。

そしてぶつぶつ何かを言っている。

目は座っていた。

ヒステリックなような、危険な雰囲気だった。

それはAちゃんも察していたようだ。

男はこちらに向かって走り出した。

「やばい・・・!」。

すぐそこにショッピングモールがあったので、私たちはそのガラスのドアを開け、商業施設内に逃げ込みました。

入ってすぐにはアクセサリー屋さんや雑貨屋さんのようなおしゃれなお店が並んでいました。

商業施設内に逃げ込んで数メートルしたところで、事が起きてしまいました。

私たちは男に追いつかれ、追いついた男は、Aちゃんの肩や髪の毛を掴みました

Aちゃんはその場に倒れ、しばらく男に髪の毛を引っ張られながら何か大声で怒鳴り散らされ続けました。

通行人やショップ店員さんたちも悲鳴をあげて、その光景を見ていました。

誰も止めに入ることもできず、見守っているしかありませんでした。

しばらくすると男はAちゃんから離れ、その場から去っていきました。

Aちゃんは倒れ込んだままボーッとし、周りには引きちぎられたAちゃんの長い髪の毛が散らばっていました

男はAちゃんに集中していて、私は結果的に身になにも起こらなかったのですが、

今にも殺人が起こりそうだった雰囲気はなんとも恐怖なものでした。

私たちの精神的に今日の活動はもう無理があったため、事務所に事情を報告し、電車に乗って事務所へ帰ることになりました。

電車に乗るまでも、もしあの男がまだこの辺にいて、見つかってしまったら、と思うと恐怖でした。

まさかの報告

帰路のことは今となってはもうほとんど覚えていないませんが、無事に事務所に到着し、すると上司にこんなことを伝えられました。

今ニュースで見た内容だ、とのことでしたがその内容が、

『京橋の電車内で刃物を持った男が暴れた。』というものでした。

私とAちゃんは、それがあの男だとすぐにわりました。

上司たちも、私たちが関連していたのがその男だろうと察していたようでした。

男が暴れた理由はこうだったらしい。

『若い女2人にバカにされた。だから刃物を見せつけて謝らせたかった。』

私はゾッとしました。

もしあの後、あのまま私たちが男に見つかっていたら、刺されていたかも知れなかったのです。

自分が襲われるターゲットにされていたと思うとなんとも不気味な気持ちでした。

さいごに

結局この時の仕事には2年ほどで足を洗うことができました。

辞めたのは今回の事件が理由ではないのですが、諸々触れだすと文章が長く長く長く長〜〜〜くなってしまうので、

ここではこれ以上話を広げないようにしたいと思います。

私は大阪に6年ほど住んでいましたが、大阪では本当に本当に、いろんなことがありました。

ネタはまだまだまだまだあるのですが、なににせよ表現することがとても苦手ですので、

気が向いたとにき少しずつ、気まぐれコラムとして書いていけたら良いなと思っています。

とある個人の小さな体験ですが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

20代の頃の体験って、その後の価値観形成の土台となりませんか?

あなたはどんな20代を過ごされていましたか?

今日も平和で良い一日をお過ごしくださいますように。



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