妊娠20週頃(この時私は40歳)。
妊娠してから食べ物や調味料に敏感になって、いつも以上に「これって赤ちゃんに大丈夫かな?」と気にするようになりました。
以前にも鶏胸肉を料理酒に漬けて焼いたときにアルコールが気になって、ネットで検索したことがあります。上の方に出てきた記事をいくつか読んで、「加熱すればアルコールは飛ぶから心配ない」と思っていました。だから料理酒は安心して使ってきたのですが、ある日作ったしゃけのホイル焼きで、また不安がよみがえってきたのです。
「ホイルでしっかり包んで、火を止めたあとも蓋をしたまま蒸らしたけど、アルコールちゃんと飛んでた・・・?」
同じように心配になった方、多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると——調べ直してみたら、「加熱すればほとんど飛ぶ」とは言い切れないことがわかりました。短い時間の加熱だと、アルコールは思ったより残るという調査結果があります。ただ、私のホイル焼きにどれだけ残っていたかは、測っていないのでわかりません。
私の作り方と、資料で確認できたこと、わからないことを分けて書きます。その後の私と娘の経過は、最後に書いています。
しゃけのホイル焼き、こうやって作って食べました
今回作ったのは、シンプルなホイル焼きです。
・材料:生しゃけ(切り身2枚)、きのこ、にんじん、玉ねぎ
・調味料:塩、こしょう、バター、料理酒(日の出の純米料理酒・大さじ4ほど)
・作り方:ホイルでしっかり包んでフライパンに並べ、さらに蓋をして中火で約10分加熱→火を止めて、蓋をしたまま約10分余熱で蒸らす
・食べた量:2人で分けて、しゃけの切り身1枚ずつ。汁も飲みました
不安になったのは「密閉」と「余熱」
仕上がりはふっくらジューシーで、アルコールの匂いも味も感じませんでした。
ただ、どこかで「火を止めるとアルコールが飛ばなくなる」という情報を見たことがあって、食べたあとに、こんなことが気になりだしたのです。
・ホイルで包んで蓋もしていたから、蒸気の逃げ場がない
・後半の10分は、火を止めた余熱だけ
・汁まで飲んでしまった
料理酒のアルコール、資料で確認できたこと
当時はネットの記事を読んで安心していましたが、あらためて、公的機関の資料を確認しました。
料理酒には、アルコールが12度前後含まれている
私が使った日の出の純米料理酒は、販売店の商品情報によるとアルコール分12度前後(11.5〜13度の表記あり)。大さじ4(約60ml)だと、加熱前の時点でアルコールはおよそ7ml入っていた計算になります。
短い時間の加熱では、アルコールは思ったより残る
米国農務省(USDA)が、お酒を使った料理にアルコールがどれだけ残るかを調べた結果がこちらです。
| 調理のしかた | 残るアルコール |
|---|---|
| 加熱しない(一晩置く) | 70% |
| 沸騰した液体に入れて、すぐ火から下ろす | 85% |
| フランベ(火をつけて燃やす) | 75% |
| 混ぜずにオーブンで25分焼く | 45% |
| 混ぜながら15分煮る・焼く | 40% |
| 〃 30分 | 35% |
| 〃 1時間 | 25% |
| 〃 2時間 | 10% |
| 〃 2時間半 | 5% |
出典:米国農務省(USDA)「USDA Table of Nutrient Retention Factors, Release 6」(2007年)をもとに作成
しっかり飛ばすには、長い時間がかかるということ。「加熱すればすぐ飛ぶ」と思っていた私には、意外な結果でした。
「78℃で蒸発する」は、すぐ全部飛ぶという意味ではない
アルコールが沸騰する温度は、約78℃。ネットでは「78℃を超えれば飛ぶ」という説明をよく見かけて、私もそう思っていました。
でも、料理の中のアルコールは水分と混ざっていて、78℃を超えた瞬間に全部なくなるわけではありません。上の調査でも、沸騰した液体に入れてすぐ火から下ろした場合は、85%が残っていました。
妊娠中のアルコールに「ここまでなら大丈夫」はわかっていない
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、妊娠中の飲酒について、ここまでなら大丈夫という飲酒量のしきい値はわかっていないと説明されています。少量でも、妊娠のどの時期でも影響する可能性があるので、妊娠中はお酒を完全にやめましょう、とのことです。(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「胎児性アルコール・スペクトラム障害」)
ただし、この説明は主にお酒を飲むことについてのもので、料理に少し残ったアルコールの影響を、個別に判断するものではありません。
私のホイル焼きについて、わからないこと
調べ直してわかったのは、私のホイル焼きについては、わからないことが多いということでした。
・どれだけアルコールが残っていたか——測っていないので、わかりません。USDAの調査は決まったレシピで測ったもので、私のホイル焼きを測ったものではないので、数字をそのまま当てはめることもできません
・ホイルと蓋で密閉していた影響——蒸気が逃げにくかったぶん、どう影響したかもわかりません
・匂いや味がしなかったこと——それだけで「残っていない」とは判断できません。私もそう思い込んでいたひとりです
当時の私は「飛んだから大丈夫」と思っていました。でも正確には、「どれくらい残っていたかは、わからない」が答えでした。
不安な方は、妊娠中は料理酒を使わない料理を選んだり、かかりつけの医師や助産師さんに相談したりするのが安心だと思います。
あさりの酒蒸しやワイン蒸しも、考え方は同じ
「酒蒸しを食べちゃった」「ワイン蒸しだったけど大丈夫?」と検索して、ここにたどり着いた方もいるかもしれません。私が食べたのはホイル焼きですが、考え方は同じです。
・加熱時間が短い料理は、アルコールが残りやすい——上の調査でも、短時間の加熱では多くが残っていました
・どれだけ残るかは、お酒の量・加熱時間・フタの有無などで変わる——「何%残る」と言い切ることはできません
・心配なときは、かかりつけの医師に相談を——何を、どれくらい食べたかを伝えると、相談しやすいと思います
その後の私と娘
妊娠20週頃にこのホイル焼きを食べたあと、娘を出産しました。娘はもうすぐ1歳。発達も順調すぎるくらいで、表情豊か、発語もかなり早かったです。
ただ、これは私と娘の場合の経過です。「料理酒を使った料理を食べても大丈夫」という証拠にはならないので、そこは分けて受け取ってもらえたらと思います。
なお、このことについて、当時は医師や助産師さんに特に相談はしませんでした。
まとめ:「飛んだはず」ではなく「わからない」が正確な答えだった
・料理酒(12度前後)大さじ4のホイル焼きを、ホイル+蓋で約10分加熱、約10分蒸らして、汁まで食べた
・調べ直すと、「加熱すればほとんど飛ぶ」とは言い切れない。短時間の加熱では、アルコールは思ったより残るという調査結果がある
・匂いや味がしなくても、残っていないとは判断できない
・妊娠中のアルコールに、「ここまでなら大丈夫」という量はわかっていない(厚生労働省)
・娘はその後元気に生まれ、今も順調(これは私の場合の経過)
不安なまま一人で調べ続けるのは、しんどいですよね。気になることは、かかりつけの医師や助産師さんに相談してくださいね。
※この記事は、私個人の体験と、記事中に示した資料をもとに書いています。
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