それ、本当に波乱万丈?
はじめに:「波乱万丈」という言葉の使われ方
最近、「私って波乱万丈な人生なんです〜」なんて言葉をよく耳にします。
でも、私はいつも心の中でこう思うのです。
『本当にそう?
波乱万丈って、そんなに軽いものだったっけ?』
と。
「山あり谷あり」と「波乱万丈」の違い
もちろん人それぞれに大変なことはあります。
恋愛で傷ついたり、仕事で失敗したり、引越しや転勤を繰り返したり。
でも、それは「波乱万丈」ではなく、人生の「山あり谷あり」の範囲で、
大体の人が普通に生きていれば経験することではないのかなと思うのです。
「山あり谷あり」と言う程度の人生を、さも“波乱万丈”だったかのように語る人もいる。
本当に修羅場をくぐってきた人との違いは、言葉じゃなく、在り方に出るものです。
私の考える「波乱万丈」の基準
波乱万丈な人生を生き抜いてきた人は、甘くない。
痛みも、理不尽も、裏切りも、全部知っている。
そのすべてをくぐり抜けた先に培われるのが、“強靭なメンタル”だ。
ちょっとやそっとの出来事じゃ揺らがない。
むしろ逆境すら糧にして、前へ進むエネルギーに変えてしまう。
心が折れるたびに、強く、鋭く、研ぎ澄まされていく──それが、本物の強さだ。
人生の根底が揺らぐような体験を繰り返し乗り越えてきた人にこそ、
初めて『波乱万丈だったね』と言いたくなるのです。
ただし、波乱万丈だった人も、その場の空気に合わせてあえて“弱さ”を演じている可能性もあります。
だからこそ、周りは見極める力が問われるもの。
経験豊富な人は、きっと見極められるでしょう。
言葉の重みを大切にしたい
言葉には力があり、そして重みがあります。
だからこそ、私は「波乱万丈」という言葉を大切に使いたい。
なんとなく「大変だった〜」の延長で使うには、もったいなさすぎるんです。
おわりに:胸を張って『波乱万丈だった』と言える人生を
自分の人生を振り返ったときに、「波乱万丈だったけど、楽しかったな。」
そんなふうに胸を張って言えるような、
深くて濃い人生を多くの人に歩んでもらいたいです。
そうすればもっと、世の中は優しくなると思いますから。